園長よりひとこと①

園長よりひとこと①
                                            園長 東口房正
     ~余裕と子育て~

子育ての場面でいろいろ悩まれる方は多いのではないでしょうか。その原因のひとつは「母親
への過大な期待」というものがあります。
まわりの方々から「子育ては母親の責任で、こうあるべき」姿を期待され、登校拒否や非行に
走ろうものなら、すべて母親の育て方に問題がある、という風潮ですね。お母さん方は追い詰
められることになってしまいます。そこで子どもに対しても悠然と構えて接することによって、他
の生活面にも余裕をもたらすのが良い方法だと思います。難しいことですが、気持ちがゆった
りすることで、子どもを含めた人間関係がスムーズにいくようになります。
家族の要、ともいえるお母さん方ですから「ゆったり」と。


      ~感染症予防~

インフルエンザの流行は、気温が低いほうが感染しやすいといわれてますが、感染症、特に飛
沫感染に有効とされている予防法は、「手洗い」と「うがい」です。手洗いはせっけんで最低30
秒、指先まで、うがいはコロコロと6回、これを5回以上することでやっと効果が出るということ
です。
なかなか面倒なことですが、外出後は子どもと一緒に行なう習慣をつけたいものです。合わせ
てイソジンや手指消毒液もいいですが、これらに頼って手洗いの時間やうがいの回数を減さな
いようにしましょう。


      ~お正月の伝統遊び~

お正月の過ごし方が、かつてほど画一的でなくなってきて久しいですね。それでもリゾート地で
はなく、自宅や実家で親類縁者が一同にそろう昔ながらのお正月を過ごされたご家庭もあると
思います。そんな折にこそ、いとこ達と「かるた」「たこあげ」「こままわし」「はねつき」などのお
正月ならではの遊びを経験してもらいたいものです。普段できないこと、今しかできないことの
貴重さを子どもたちに伝えてください。それがまた大きくなったときの思い出や、きずなの素に
なればすばらしいと思います。せっかく皆が集まってもテレビやゲームボーイでは寂しいですよ
ね。


     ~木枯らし~

昔から「子どもは風の子」といいますが、子どもは根本的に皮膚感覚が大人とは違うようです。
その肌のあたたかさはお父さんお母さんならよく実感されていると思います。
これからの時期、よくあるのが「大人が寒いから」と厚着をさせて汗をかき、それが冷えて風邪
をひかせてしまうことです。基本的に薄着で、厚めのコートなどを用意するのがベストですね。


     ~おでかけ~

休日に親子でお出かけすることがあると思います。お出かけ先には子どもたちにとって、社会
性を身につけるチャンスがいっぱいころがっています。
基本は「安全」と「人に迷惑をかけない」ことですが、駐車場の車の間から飛び出したり、店内
を走り回っている姿などを見かけることがあります。電車の中はもちろん、駐車場の歩き方や
お店など他の人がたくさんいる場所でのマナーを子どもに問題を出して一緒に考え、親も手本
を示したいものです。わが子が迷惑をかけていても知らんぷりしている親にはなりたくないです
ね。


      ~敬老の日のお礼状~

毎年敬老の日にあわせ、子どもたちそれぞれにハガキを出してもらったところ、お礼状をご祖
父ご祖母からいただきす。文面には「何ものにも代え難い」「買うことのできない幸せ」という心
から喜んでいただいている姿がうかがえ、遠方でふだん会うことの少ないお孫さんへの思いが
伝わってきます。お礼状をいただき、とても喜んでいる園長です。


      ~一日のスタート~

子どもたちは幼稚園で「社会生活」を体験します。朝つまずきがあると、その日一日憂鬱に過
ごしてしまいかねません。そこで留意点などを・・・
・睡眠は充分に。幼児には十一時間の睡眠時間が必要とされています。
   睡眠が足りないと、活動に集中できず、思わぬ怪我をしたりします。
・登園前には小言を言ったり、しかったりしないで励ますことが大事です。
   しかられると気持ちが落ち込み、周囲への注意力が散漫になります。
・時間に余裕を持って登園するように心がけましょう。
   時間に遅れたことが精神的に負担になり、楽しく過ごせなくなります。
朝のスタートによって一日が決まる、といっても過言ではありません。
あと、朝食と排便も習慣づけてくださいね。


       ~子どもの靴~

子どもの靴、ってむずかしいですね。成長が早いので買い替えのサイクルは短いですし、かと
いって安かろう悪かろうという靴は足の成育に悪影響がありそうだし…。
 今年度通園靴を変えたのは、脱ぎ履きしやすくても「走ったとき脱げやすい」のでは困るとい
う点と、「足の成育」を重視したことです。値段は上がったものの、さいわい好評をいただいて
いるようです。
 今すぐの効果は走りやすいことですが、大きくなったときに足の成育を実感できるとうれしい
と思います。


      ~親離れ子離れ~

子どもは大きくなるにつれ親から離れていきます。ところが親はしっかりと自覚しないと子ども
から離れられません。
 「友達と遊びにいく」という時期が来たとき、目を細めて「大きくなったなあ」と送り出せるでしょ
うか。総じて最初の子、特に一人っ子にはかなり不安があると思います。
 そのときには親にとっても子離れの大きなチャンス、と捉えることが大事です。人によって時
期の違い方法の違いはあるものの、少しずつ成長とともに親離れしていきます。
 親としては寂しい半面、成長を実感することでしょう。



      ~学びと教育~

 子どもたちは興味のかたまりです。なぜ?なに?という言葉が一番出る時期といってもいい
でしょう。そこを周囲の大人がいかに捉えるかによって育ちもかわってくるように思います。
 そのポイントは「教え」るか「学び」とらせるかです。答えを教えるのではなく、一緒に考えよう
という姿勢を示すと、さらに興味が増し記憶に残ります。つい大人は簡単な「教え」ることを選ん
でしまいますが、子ども自身が答えを得、「学び」とってくれる姿は、育ちを実感できるまたとな
い機会です。
 幼児期の好奇心や探求力が、将来の人間としての幅を大きくすることを考え、子どもの答え
を待ちたいものですね。


      ~育ちと安全~

 遊具で遊んでいて怪我をした、あるいは外遊びで虫に刺され腫れた、と言って遊具や自然の
生き物から子どもを遠ざけるのがいいことなのでしょうか。
 心身の発達には危険回避能力も伴っていてこそ成長と言えます。危険だから取り除く、関わ
らせないということを繰り返していては、危険を知らず避ける方策も持たないまま育ってしまい
ます。年齢に応じた小さな危険を少しずつ乗り越えていくことで、大きく複雑な危険を回避し、
自分の安全を確保できる人間になる、といえます。
 「ころぶ前に手を差し伸べる」ことは大きな危険がない限り、子どもにとって成長の弊害にな
ることを大人が心がける必要があるでしょう。