園長よりひとこと③

園長よりひとこと③                         東口房正

  ~食材の安全性~
中国産冷凍ギョウザに農薬が混入していた事件以来、食品に記載の原産国表示に目を凝ら
すようになりました。それは冷凍食品だけにとどまらず野菜などにもおよんで、中国産の5~6
倍も値段のはる国産品を選ばざるを得ない状況になっています。大人はともかく子どもには安
全でないものは食べさせられない、という考えは当然のことと思います。気をつけたいのは国
産でも加工食品については、食材について原産国表示のないものが多いのが現状です。お弁
当材料にも気を配ることになり、大変ですがお気をつけください。


  ~寒~
大寒が過ぎると、とっても寒い季節がやってきます。冬将軍の到来です。大阪では3月の啓蟄
を越えて奈良東大寺二月堂のお水取りが終わるまで寒さが続くといわれています。この寒風
が吹きすさぶ気候でも子どもたちは元気いっぱい、雪でもちらつこうものなら園庭を走り回って
います。寒い時期はついつい室内をあったかくしがちですが、外との気温差が大きいと体調を
崩すことが多いので、気をつけたいですね。また外出先などでは必要以上に暖かいことがあり
ますから、特に注意が必要です。大人ですら暖房の効きすぎで気分が悪くなったりしますから。


  ~年始の機会~
新年を迎える形は各ご家庭さまざまだと思います。特に年始めのあいさつにもいろんな形があ
るようです。元旦のあいさつは、家族一人ひとりに丁寧に行いたいものです。子どもたちにとっ
ても毎年繰り返される儀式ですので、自然と身につくとともに礼儀を伝えるチャンスだと思いま
す。はっきりした声できちんとごあいさつできなければお年玉がもらえない、というのはいかが
でしょう。普段のあいさつへの練習にもなりますし、もぞもぞ言うことは良くないことと伝えられま
す。加えて正座してしっかりとお辞儀できれば、おじいちゃんおばあちゃんにも褒めてもらえ、ご
両親の株も上がること間違いなし!ですよ。


  ~遊具のルール~
子どもの遊具について、各地から事故事例を耳にします。遊具自体に危険性が認められて、
次々に撤去されたのは箱型ブランコからでした。古いことですが通園カバンによる窒息事故が
多発し、遊ぶときにカバンをかけないことが全国的に広まりました。遊具遊びはルールを守っ
てこそ安全が保たれることを忘れず、周りの大人がルールを守らせるようにしなければ、子ど
もの冒険心は予想できないような遊び方を考え出し、危険につながることもありえます。保育時
間内では教員がルールを徹底しますが、放課後や公園では子どもも注意されない限り危険な
ことに挑戦しようとします。最近では安全確保のためのヘルメットのあごひもが遊具にからみ、
窒息寸前になった例もあります。遊具で遊ばせるときは目を離さず、保護者の方々もどんなこ
とが危険で普段どんなルールで遊んでいるか知り、注意のお声がけをお願いします。


  ~マネっこ~
子どもはマネることからさまざまなことを会得していきます。遊びひとつにしても、ひとのマネか
ら始まりやがて自分も体得してしまいます。そこには子どもならではの旺盛な好奇心もあって、
教えられたことはすぐに忘れても、自分が得たことはなかなか忘れません。どんなことでも教え
てしまうとおもしろさが伝わらないだけでなく、子どもの好奇心をくすぐらず、魅力もなくなりがち
です。年齢によって内容は違ってきますが、マネからきっかけをつくり、自分で会得して発展さ
せられれば自信もつき、自立心も芽生えてくるでしょう。子ども自身がいろんなことを会得する
ことが本当の学習だと思いませんか?


  ~どんぐり~
子どもたちはどんぐりが大好きです。メイちゃんがどんぐりを追ってトトロに出会う場面にもある
ように、大人になると忘れがちな素敵な魅力があるようですね。これからがどんぐり拾いの季
節です。シイ・カシ・クヌギ・ナラなど、それぞれ大きさや形が違います。紅葉の中で親子一緒に
どんぐり拾いを楽しんでみませんか?
ただしどんぐりはタネであるとともに森の生き物たちの大切な食料です。拾いすぎには注意しま
しょう。


  ~夏のなごり~
子どもたちは夏休みにたくさんの体験をします。9月になってもまだまだ暑い日が続くと思われ
ますが、気をつけたいのは夏本番のころの食習慣を残していることです。9月に思わぬ下痢を
することが多々あります。8月に比べ気温は下がっているのにカキ氷やアイスを同じように食
べていませんか?夏の暑さで基礎体力や抵抗力が弱っている可能性もありますので、気温に
合わせた食べ方を心がけましょう。それに朝夕の気温も下がってきますので、寝冷えにも要注
意ですよ。


   ~夏本番~
梅雨が明けると、本格的な夏到来です。この時期大人は好んで日なたに出ようとはしません
が、子どもは暑さもなんのその、お外を走り回っています。さて気温上昇とともに考えなくては
いけないことに、紫外線対策と熱中症対策があります。かつて小麦色の肌がもてはやされた時
期もありましたが、今では地球大気のオゾン層が破壊され、充分なUV対策が必要です。もうひ
とつの熱中症対策ですが、子どもの体感温度をご存知ですか?地表に近い子どもの顔の位置
で、大人の顔の3℃プラス、座った位置では5℃プラスといわれています。たくさん水分補給さ
せる必要がありますね。


    ~雨~
梅雨どきは、傘・レインコートと長靴で歩くことが多くなります。気をつけなければいけないこと
は、これらの雨装備をつけた子どもは「足元しか見えない」ということです。タイヤの水はね音
が、接近する車両の有無を知らせてくれますが、足元の水たまりに集中して向き合っている子
どもは気づかない可能性もあります。加えて傘を持った片手運転のふらふらした自転車、視界
が悪く止まりにくい車にバイクと危険要素は倍増です。普段以上に余裕をもって歩きましょう。


    ~季節の変わり目~
新緑の頃は日ごとに暑くなってきます。特に天気のいい日は、気温が夏日といわれる25℃を超
えることがあります。まだ暑さに体がなじんでないことから、たくさんの汗をかくことが多く、水分
も自然と多めにとることになります。ところが日がかげって夕方になると、急に気温が下がり体
を冷やし始めます。おなかが冷えたり発熱の元になったりしますので、気をつけたいものです。
特に休みの日は冷たいものを食べ過ぎることがあるのか、月曜日に体調を崩している子ども
たちが多いように感じられます。


    ~子どもとのかかわり~
子どもが育っていく上で、親や周りの大人のかかわり方が大切になってきます。大人が深くか
かわりながらも、子ども本人の自立をうながさなければなりません。たとえば、転びそうになっ
たときに手を差しのべて転ばないようにするか、転ぶのも危険回避の第一歩と考え、あえて転
ばせるか、ということです。もちろん転ぶ場所にもよりますし、かわいさのあまり手を差しのべが
ちですが、過保護にならないていどに。


      ~かがみ~
子は親のかがみ、とよく言われます。鑑=手本・鏡=模倣という両方の意味が込められていま
す。良くも悪くもお手本は親です。「ひとの振り見て、我が振り直せ」という格言があるように、子
どもの振りから親の所作のおかしさを教えてくれることもありますよね。
最近気になるのは、夜の遅い時間に小さな子ども連れでお出かけしている姿です。親の所作
のひとつと言えるでしょう。
幼稚園保育園に通う前ならともかく、朝早く起きて活発に活動する幼児を、夜型の生活につき
合わせているのは感心しません。子どもの生活パターンを考え、子どもに合わせてこそ「親」と
いえるでしょう。 ~花粉症~
ある日突然始まるといわれている花粉症。原因はスギ・ヒノキ・イネ・シラカバ・ブタクサ等々の
花粉アレルギーですが、血液検査でIgE抗体の量を調べると原因がわかります。春先に花粉症
を疑って調べたところ、じつはハウスダストやダニの抗体を持っていて、花粉は無関係だった
…という話も少なくありません。また起床時は副交感神経が活発で、反応しやすい時間帯で
す。目覚めによる自律神経の切り替えをスムーズにするため、布団の中で手足を動かす、伸
びをするなどして、頭がスッキリしてから起き上がるといいようです。